熱計算の基礎公式
オームの法則:「電流は電圧に比例し、抵抗に反比例する」
抵抗をもつ導体(電気が流れる物質)に、電圧を与えると、電流が流れます。
それらの力関係は、「電流は、電圧が大きくなると大きくなり、抵抗が大きくなると、小さくなる」です。
この法則をパイプの中を流れる水流に例えると、以下のようになります。
電気を水で例えると…
名称 | 単位 | 説明 |
電圧E (Electromotive force) |
ボルト[V] | 電流を押し出す力 |
電気抵抗R (Resistance) |
オーム[Ω] | 電流を流すまいと抵抗する力 すべての物質はこの抵抗を備えている |
電流I (Intensity of Electric Current) |
アンペア[A] | 電圧と抵抗によって作られる電気の流れ |
電力P (Power) |
ワット[W] | 電流の仕事率。ヒーター電力は、「1秒間に発生する熱量J」に等しく、ヒーターが単位時間にどれだけの熱量を発生する能力があるかを表している |
電力量 | Wh (ワットアワー) |
1時間に流れる電力[W]の量 |
熱量Q (Heat Quantity) |
ジュール[J] | ヒーターの電気的な仕事量はヒーターの電力×加熱時間。 同じ体積の水を同じ温度で加熱する場合、30分かかっても、1時間かかっても「仕事量」は同じ。30分で昇温させたければ1時間の2倍の電力が必要。 1ワットの電力が1秒間にする仕事を1ジュールといいます。ジュール[J]は、仕事、電力量、熱量に共通する単位。 ◎1[W]×1秒[s]=1[J] ◎熱量[J]=電力[W]×時間[s] |
ジュールの法則:「物に力を加え、仕事をすると熱になる」、「仕事と発生した熱に一定の関係がある」
ジュールとは、物体に力を加え移動させる仕事に必要なエネルギーの量を表す単位です。
1ジュール(J)は,1ニュートン(N)の力(102gの物体を支えるくらいの力)で,その力の向きにものを1m動かすのに必要なエネルギーのことです。
この時の仕事量は熱と等価であり、同意義です。
1J=1N・m
この発見をしたのが、他ならぬジェームズ・プレスコット・ジュールです。
ジュールは「物に力を加え、仕事をすると熱になる」、「仕事と発生した熱に一定の関係 がある」ことに
気づき、熱の本性、エネルギー保存の概念(無からエネルギーは、生まれない。永久機関などは、あり得ない。)を発見しました。
ジュールの発見した法則を簡単に言うと、ある物質に決められた量の電気を通すと、物質それぞれは決まった量の発熱をする。ということです。
これを式にすると、
Q= I2R
必要な熱量(Q)=I2[電流量2乗]×R[導体が固有にもっている電気抵抗値]
「電流によって発生する熱量(Q)は、流した電流(I)の2乗と、導体の電気抵抗(R)に比例すること」。
となります。これは普遍の真理です。
基礎情報
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- 雰囲気温度とヒーターの限界W密度、雰囲気温度とヒーター表面温度の関係
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